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T.発熱

1.発熱とは何度以上? 赤ちゃんの平熱は?

2.観察

3.発熱時は暖めるのか冷やすのか?

4.水分補給

4-2.水分補給PDF

5.解熱剤は使ってよいのか?

6.病院へ

 

U.けいれん(ひきつけ)

1.熱性けいれん

A.対応の仕方

B.検査と治療

T.発熱

一般に、ご家族の方は、お子さんの発熱に対して過敏で、心配しすぎる傾向があります。発熱は一種の身体の防御反応です。熱を下げることにばかり気をとらわれず、全身状態や熱以外の症状についても十分観察して、熱の原因となっている病気そのものが、重いのかどうかを、みるようにしてください。

熱は、病気の一番わかりやすいサインの1つです。熱の原因となる病気はいろいろありますが、乳児期ではウイルス感染による風邪症状によるものが殆どですが、細菌感染による肺炎や、更に重症な髄膜炎・敗血症まで様々な病気が原因になる事があります。

 

 

1.発熱とは何度以上? 赤ちゃんの平熱は?

生後半年近くなると、生まれる前にお母さんからもらった免疫グロブリンも減り、家族以外の人と接触する機会も多くなることから、初めての発熱を経験する赤ちゃんが増えてきます。赤ちゃんの平熱は大人よりやや高めです。個人差はありますが、37.5℃までは平熱と考えて良いでしょう。

時間帯によっても季節によっても違います。1日の中でも、朝より午後の方が、そして冬より夏の方が高めになります。また、哺乳や食事の後も高めになります。

普段から、子どもの平熱を確認しておくと良いでしょう。

 

 

2.観察

熱のほかに、何かいつもと変わったことがないかどうか、よく観察しましょう。元気がない、機嫌が悪い、呼吸が苦しそう、ミルク飲みが悪いなどの症状が一緒にあれば早めに医療機関を受診して下さい。

初めての発熱や生後6ヶ月未満の発熱は、早めに受診しましょう。特に生後4ヶ月以下の乳児の発熱には注意が必要です。

「発熱があるのに元気な子供」は急に危険な状態になる事はありません。ただし、意識がハッキリしているかどうか確認して下さい。

 

 

3.発熱時は暖めるのか冷やすのか?

熱がまだ上がる途中では、手足が冷たくなって体が小刻みに震えることがあります。これはまだ熱が上がる途中の症状です。こんなときには体が冷えないように温かくする必要があります。

熱が上がりきってしまえば震えはおさまります。その時には、着せすぎや部屋の温めすぎは良くありません。様子を見ながら暑すぎず、寒すぎずといった状態に調節して下さい。発汗も多くなりますので、下着やパジャマをこまめに着替えさせて下さい。

冷やす場所は頸部、わきの下、鼠径部など、太い動脈の拍動が身体の表面から触れる所です。オデコを冷やすだけでは熱は下がりません。冷やす事を嫌がる場合は、薄着にするだけでも良いでしょう。

子供が嫌がらなければ、氷枕も良いでしょう。この時、首が強く胸の方向に折れないように気を付けて下さい。呼吸が苦しくなることがあります。

 

 

4.水分補給

発汗や呼吸が速くなる事による脱水が起こりやすくなります。脱水による発熱も加わることがあるので、ふだんより水分を多く与えることに心がけてください。吐き気のある時は一回の量を少くし、回数を増やして、注意しながら水分補給をして下さい。

 

 

5.解熱剤は使ってよいのか?

高熱で機嫌が悪く、なかなか寝つかないような場合には常備の解熱剤(坐薬)を使用します。下熱すれば、呼吸が楽になり、食欲も出てくると言った効果があります。解熱剤を使って一時的に熱を下げ、少し元気になったところで、水分補給をします。

しかし、解熱剤は一次的に熱を下げるだけで、病気を治すものではありません。「細菌やウイルスを殺すために体温を上げる」のは正常の反応です。熱があっても元気や食欲があるときは解熱剤を使う必要はありません。水分をしっかりとって汗が出ると、熱が下がります。よく寝ていて呼吸が楽そうな時も、そのままにしておいてよいでしょう。

また、生後6ヶ月未満の子も原則として解熱剤は使いません。

「頭が痛い」「耳が痛い」など訴えるときは、熱が高くなくても使えば痛み止めの効果もあります。

そして、解熱剤の種類には気を付けて下さい。成人用の解熱剤と小児用とは異なるので、注意が必要です。特に「アセトアミノフェン製剤」が比較的安全と言われています。

 

 

6.病院へ

夜間、熱が出ても、数時間で急変することはないので、殆どの場合、翌日病院へ行けば大丈夫です。ただし、グッタリして元気がない、機嫌が悪い、呼吸が苦しそう、ミルクの飲みが悪い、ひきつけたり、嘔吐が何回もあるなどの症状があれば、速やかに医療機関を受診して下さい。

かかりつけ医・小児科医に連絡が取れない場合は、救急医療情報・応急診療所をご利用下さい。

翌朝、解熱しても、夕方から再び発熱する事があります。夜間に高熱が出た時は、翌日必ず、かかりつけ医師を受診して下さい。

 

 

U.けいれん(ひきつけ)

1〜2才の子供は高熱によりひきつけることがしばしばあります。たいていのひきつけは数分以内におさまりますが、ひきつけが長く続いたり、繰り返し起こっておさまらない時には、熱性けいれんではなく、髄膜炎・脳炎などの重い病気が考えられますので、至急病院を受診する必要があります。

 

 

1.熱性けいれん

中枢神経の病気や血糖・電解質など体液に異常がないのに、急激な発熱のために起こる全身のけいれんのことをいいます。 熱の上がり方が急激であれば、まだ熱が低い状態でも起こる事があります。

よくみられる年齢は生後6カ月から3歳頃までで、小学校に入るようになる頃には起こらなくなります。多くの場合、家族兄弟にも熱性けいれんの既往があります。

高熱が出る病気なら、どんな病気でも熱性けいれんの原因になりますが、乳児期では風邪や突発性発疹によることが多いと言われています。

 

 

A.対応の仕方

しばらく止まっていた呼吸が戻った時のために、呼吸を確保しておくことが重要です。嘔吐があれば、身体ごと顔を横に向けて、吐いた物が口から流れ出すような姿勢をとらせて下さい。

歯を食いしばっていてもそのままに様子を見て下さい。舌をかむことはありません。口に指や履き物などを押し込む事はしないでください。そのことが原因で口や喉から出血しり、刺激で嘔吐した場合、窒息の原因となる事があります。

体をゆすったり、必要以上に刺激を与えないで下さい。熱感があれば、熱を測ってください。

5-6分しても、痙攣が止まらない時は救急車を呼んでください。20分以内の呼吸停止であれば、後遺症の残る可能性は殆どありません。また、初めてのけいれんの時は、おさまっていて、念のため、速やかに医療機関を受診して下さい。

 

 

B.検査と治療

熱性けいれんを起こした子どもの半数以上は1回だけで終わりますが、高熱がでるたびにけいれんを繰り返す子どももいます。3回以上の熱性けいれんがあった場合・けいれんが長く続くなどの場合には、脳波の検査など詳しい検査が必要です。その時は医療機関に相談して下さい。

また、何度も熱性けいれんを繰り返す場合、あるいは家族にけいれんに対する不安が強い時は、発熱に気が付いたとき、に予防的にけいれん止めの座薬を使うことがきでます。これも医師に相談して下さい。

 

 

以上ですが、心配があればかかりつけの先生と相談してください

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